残業後、終電間際の電車に揺られながらスマホを開いた。今日はほんとにダメだった。タナカ課長の「この資料、明日の朝イチまでにやり直して」の一言で残業が確定し、ミカ先輩には「ユウちゃん、ここの数字ズレてない?」と静かに詰められ、もう心がぺしゃんこ。ガラガラの車内で座席に沈み込みながら、何か……何か脳みそを空っぽにできるやつをくれ……と電子書籍アプリを開いた。
おすすめ欄に出てきたのが『ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚〜』。いや、タイトルの情報量。「ふかふか」ってなに。ダンジョンにふかふか要素ある? 気になりすぎて思わずタップした。表紙のファンタジー感にまず目を奪われて、あらすじ読んだら「元・派遣社員が異世界に転生してダンジョン攻略」って……え、派遣社員? 私、事務職だけど気持ちはほぼ派遣みたいなもんなんだが。なんかもう親近感がすごい。
気づいたら最寄り駅を通り過ぎてた。いや嘘でしょ。慌てて降りて反対方向のホームで続きを読み始めた自分、もう完全にダメな大人だった。でもさ、こういうのが止められないから深夜のスマホ読書はやめられないんだよ。
今日のユウのため息 ── 給料日前の金欠 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚〜

| 作品名 | ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚〜 |
|---|---|
| 作者 | KAKERU |
| シリーズ | ふかふかダンジョン攻略記〜俺の異世界転生冒険譚〜 |
| ジャンル | ファンタジー, 異世界系, DMMブックス限定特典付き, お色気 |
要するにこういう話だ。元・派遣社員のジャンが、ひょんなことから異世界に転生して、国家や軍隊でも攻略しきれない最強最悪の超巨大ダンジョン「深き不可知の迷宮」——通称「ふかふかダンジョン」——に挑む。それが本作『ふかふかダンジョン攻略記』。
「複数の国家と軍でも攻略しきれぬ」って、スケール感がすごい。国を挙げてもダメなダンジョンに、元派遣社員が突っ込んでいくわけ。いやいやいや、派遣社員の何がそこまでの戦力になるのよ、と思うじゃん? でも異世界転生ものってそこがいいんだよね。現実じゃ何者にもなれなかった人間が、別の世界で「何か」になれる。その「何か」がどう展開されるかが醍醐味なわけで。
しかも作者はあの『魔法少女プリティ☆ベル』のKAKERU先生。あらすじに「異世界転生を『転生』させる超王道ファンタジー」って書いてあるのが気になりすぎる。ただの俺TUEEEじゃない匂いがプンプンする。一言でまとめると「元派遣社員が、国すら手に負えない最凶ダンジョンに挑む異世界転生バトルファンタジー」。はい、好き。
見どころ①:「ふかふか」なんて名前のダンジョン、絶対ヤバいに決まってる
まず、このダンジョンの名前よ。「深き不可知の迷宮」、通称「ふかふかダンジョン」。この温度差。正式名称が物騒すぎるのに略称が可愛すぎる。でもこの「ふかふか」って語感に騙されちゃいけないんだろうなと直感で分かる。複数の国家と軍隊が総がかりでも攻略できないって、それもう災害レベルじゃん。そんなものに挑む物語、序盤からワクワクが止まらない予感しかない。
異世界転生ものって山ほどあるけど、「超巨大ダンジョン攻略」が軸になってるのは個人的にすごく刺さる。ダンジョンものって階層を進むごとに強くなっていく感じ、RPGのレベル上げに似た達成感があるんだよね。私の日常なんて毎日同じExcelファイルをいじってるだけで、「階層を突破した」みたいな達成感なんて皆無。だからこそ、主人公が未踏の階層に足を踏み入れるたびに、こっちまで心臓がバクバクする。
しかもあらすじに「異世界転生を『転生』させる超王道ファンタジー」って書いてあるのが気になる。ありがちな転生ものとは一味違うぞっていう宣言だよねこれ。KAKERU先生の作品って、あらすじを読む限り設定の練り込みがすごそうだし、ただチートで無双するだけじゃない骨太な冒険譚が期待できる。王道を掲げつつ、そこに独自の解釈を乗せてくるタイプ、私は好きだ。
国家規模の脅威に元派遣社員がどう立ち向かうのか。その設定だけでもう夜更かしの言い訳としては十分すぎる。明日の朝イチの会議のことなんて、ふかふかダンジョンの前では些末な問題に思えてくるから不思議。
見どころ②:元・派遣社員ジャン、お前は私だ
主人公のジャン。元・派遣社員。この五文字の破壊力がすごい。異世界転生ものの主人公って「元サラリーマン」とか「高校生」が多いけど、「派遣社員」ってところがリアルに刺さる。派遣って、正社員とは違う独特の「使い捨てられる感」があるじゃん。契約更新のたびにヒヤヒヤして、職場では外部の人間扱いされて。私は一応正社員だけど、この会社での自分の存在意義を考え始めると似たような気持ちになることがある。ジャン、お前の気持ち、たぶん私には分かるよ。
そんなジャンが異世界で、国すら攻略できないダンジョンに挑んでるわけでしょ。前世では「一介の派遣社員」だった人間が、転生先では冒険者として国家レベルの難題にぶつかっていく。この落差がたまらない。現実で評価されなかった人間が、別の場所で自分の力を試せるっていうのは、異世界転生もの最大のカタルシスだと思う。毎朝「おはようございます」も言ってもらえない日がある私にとって、この手の主人公は心の支え。
あと、この手のダンジョン攻略ものには個性的な仲間キャラやヒロインが出てくるのが定番だし、お色気ジャンルも含まれてるらしいから、華やかなキャラクターが揃ってそう。KAKERU先生のキャラ造形って、あらすじから察するにクセが強そうで、読む前からニヤニヤしてしまう。一緒にダンジョンに潜る仲間たちとの掛け合いがどんなテンポなのか、想像するだけで楽しい。
ジャンがどんなふうに成長していくのか。派遣社員時代の経験が異世界で活きる瞬間とかあったりするのかな。もしあったら泣く。確実に泣く。
見どころ③:バトルの爽快感で脳汁ドバドバ出したい夜がある
ダンジョン攻略って、要するに「倒して、進んで、強くなって、また倒す」の繰り返しなんだけど、この単純なループがなぜこんなに気持ちいいのか。たぶん現実の仕事には存在しない「明確な前進」がそこにあるからだと思う。私が今日やった仕事、データ入力と資料修正と電話対応。それ全部やっても「ダンジョン1階層クリア」みたいな達成通知は来ない。経験値もゴールドも貯まらない。だからこそ、マンガの中でキャラが階層を突破するたびに、私の脳が代わりに報酬を受け取ってくれる。
この作品、「最強最悪の超巨大ダンジョン」がメインのフィールドになってるっぽいから、バトルの緊張感も相当なものがありそう。国家と軍を投入しても攻略できないって、各階層にどんなモンスターがいるのか想像するだけでゾクゾクする。そこに元派遣社員が挑むっていうギャップが、爽快感をさらに増幅させるんだよね。弱かった人間が強大な敵に立ち向かう構図、いつの時代も燃える。
でもさ。読み終わって画面を閉じたら、そこには散らかった部屋と明日の出勤時間の現実が待ってるんだよね。ダンジョンを攻略しても私の有給残日数は増えないし、レベルアップしてもExcelのスキルが上がるわけじゃない。……分かってる、分かってるんだけどさ。この瞬間だけは、ふかふかダンジョンの中にいさせてくれ。
見どころ④:派遣社員の転生譚が事務職OLに効きすぎている
「元・派遣社員が異世界でダンジョン攻略」っていう設定、冷静に考えたら全社畜に刺さるやつだ。だってさ、私たちは毎日「攻略不可能に見える仕事」に向かってるわけじゃん。タナカ課長が投げてくる謎の急ぎ案件は、さしずめ「深き不可知の迷宮」の中層ボスみたいなもん。でも私にはチートスキルがないから、地道にExcelで殴り続けるしかない。ジャンがうらやましい。ほんとにうらやましい。
通勤電車の中でこのマンガを読んでる時だけ、私は冒険者になれる。隣のサラリーマンのいびきがBGMに聞こえるし、満員電車の圧がダンジョンの罠に感じてくる(感じてこない)。でもこういうマンガを読んでる日と読んでない日じゃ、会社に着いた時の心のHP残量が全然違う。ミカ先輩に「今日なんか元気じゃない?」って言われたら、心の中で「ふかふかダンジョンのおかげです」って答える。絶対口には出さないけど。
お色気要素もあるっぽいから、疲れた目の保養にもなりそう。ユナちゃんに「そういうの好きなんですかぁ?」って聞かれたら「大人の嗜みです」って答える準備はできてる。
ユウの本音まとめ
正直、タイトルの「ふかふか」に引っかかって軽い気持ちでタップしたのがきっかけだった。でもあらすじを読めば読むほど、これは「ただの異世界転生もの」じゃない匂いがする。元派遣社員が国家規模のダンジョンに挑む、その設定の時点でもう物語に引きずり込まれてる。「異世界転生を『転生』させる」っていう作者の宣言が、読む前から期待値を上げまくってくるし、KAKERU先生の作品ってことで安心感もある。
超巨大ダンジョンの攻略っていう骨太なテーマに、お色気要素も加わって、疲れた社畜の夜を全方位からケアしてくれそうな一作。元派遣社員のジャンの冒険を追いかけている間だけ、私は自分の現実から解放される。明日もタナカ課長に理不尽を投げられるし、ミカ先輩の視線は鋭いし、帰りの電車は混んでるし。でも、帰ったらスマホで続きが読める。それだけで、なんとか明日も出社できる気がする。
現実はふかふかじゃないけど、このマンガがあるなら、もう少しだけ頑張れる。たぶん。

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