残業後、終電間際の電車に揺られながらスマホを開いた。今日はタナカ課長の「これ今日中ね」爆弾が3回も炸裂して、もう脳みそがスクランブルエッグみたいになっている。座席に座れたのが唯一の救いだけど、このまま家に帰っても寝るだけだし、なんかこう、パーッと現実じゃないものを浴びたい。そんな気持ちで電子書籍アプリのおすすめ欄をスクロールしていたら、目に飛び込んできたのが『美女と賢者と魔人の剣』だった。
表紙がまず目を引いた。美女、って堂々とタイトルに入ってるの、すごくないですか。賢者に魔人に剣。情報量が多い。でも「会社員が異世界転移」っていうあらすじの一行目を読んだ瞬間、なんかもう他人事じゃなくなった。仕事帰りに突如異世界転移って、今の私の状況とほぼ同じでは? 私もこの終電が異世界行きだったらいいのに。
気づいたら1話、2話とページをめくる手が止まらなくなっていた。スーツ姿で異世界をさまよう主人公の姿が、妙にリアルで、妙に切なくて、妙に羨ましい。降りるべき駅を一つ乗り過ごしたことに気づいたのは、もう手遅れになってからだった。……まあいいか。こういう夜があるから、なんとか生きていけるんだわ。
今日のユウのため息 ── 家事の限界 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── 美女と賢者と魔人の剣

| 作品名 | 美女と賢者と魔人の剣 |
|---|---|
| 作者 | モティカ, 片遊佐牽太, 六時 |
| シリーズ | 美女と賢者と魔人の剣 |
| ジャンル | バトル・アクション, シリアス, セクシー, ファンタジー, お色気, 異世界系, コミカライズ |
要するにこういう話だ。会社員の安良川圭くんが、仕事帰りにいきなり異世界に飛ばされてしまう。チートスキルを授かってスタート、みたいな甘い展開ではなく、右も左もわからないままスーツ姿でさまよう羽目になる。しかもいきなり凶暴な魔物に襲われるという、転移早々の大ピンチ。いや、ちょっと待って。せめて着替えとサバイバルキットくらい用意してから転移させてくれない?
そこから数々の美女たちと出会い、魔人たちとの戦いに身を投じていくという、ダークファンタジー。「数々の美女たち」っていうワードがいいよね。普段の日常では絶対に出会えない存在が、異世界にはゴロゴロいるらしい。あらすじを読む限り、華やかなだけじゃなくてシリアスでダークな展開もありそうで、甘いだけの話じゃなさそうなのが逆にそそられる。
一言でまとめると、「普通の会社員が、何の準備もなく異世界に放り出されて、美女と出会いながらダークな戦いに巻き込まれていく話」。……普通の会社員が突然過酷な環境に置かれるって、ある意味うちの会社の新人研修と同じでは?
見どころ①:スーツで魔物に挑む男、それはもう私たちのことだ
この作品の設定で一番グッときたのは、主人公の安良川圭がスーツ姿で異世界に放り出されるっていうビジュアルだ。異世界転移モノって、最初から鎧や冒険者服に着替えてる作品が多いけど、スーツのままっていうのがリアルで刺さる。私たち会社員にとってスーツって、ある意味「日常の鎖」みたいなものだから。その鎖をつけたまま異世界に投げ込まれるの、シュールだけどどこかエモい。
あらすじを読む限り、この作品は「ダークファンタジー巨編」と銘打っているだけあって、ただ美女にチヤホヤされるだけのお気楽な話ではなさそう。魔人たちとの戦いに身を投じていくっていう表現が物騒だし、シリアス要素がガッツリ入ってくる雰囲気がある。甘いだけじゃない、苦みのある展開が待っていそうなところが、読み手としてはたまらない。だって現実だって甘くないもの。甘いだけのフィクションはときに薄っぺらく感じてしまうことがある。
それと、「会社員が転移する」タイプの話って、主人公の社会人としての経験や思考が異世界でどう活きるのかっていうのが醍醐味だと思うんだよね。この手のジャンルでは、現実世界の知識や処世術が意外なところで役に立ったりする展開が面白い。安良川圭が事務処理能力で魔物を倒す……わけはないだろうけど、社会人ならではの判断力とか交渉力みたいなものが物語に絡んでくるんじゃないかと期待してしまう。
現実では毎日同じデスクで同じ書類を処理している私にとって、「突然すべてが変わる」っていう設定はそれだけで心臓が跳ねる。まあ異世界に飛ばされるのはさすがに困るけど、せめてこの作品を読んでいる間だけは、私もスーツのまま知らない世界を歩いている気分になれる。
見どころ②:安良川圭、お前は私だ(そして美女たちが眩しすぎる)
安良川圭。名前の響きがまず普通の会社員っぽくていい。異世界転移の主人公って、やたらカッコいい名前だったり最初から何かしらの特殊能力を持ってたりすることが多いけど、あらすじを読む限り圭はマジで「ただの会社員」として異世界に投げ出されている。この「何者でもない自分」が未知の世界でどうにか生き延びようとする姿、それだけでもう応援したくなる。だって私も毎日、何者でもない自分で社会と戦ってるから。
そして「数々の美女たち」。タイトルにも「美女」って入ってるし、ジャンルにセクシー・お色気が含まれているし、この作品の大きな華であることは間違いないと思う。異世界で出会う美女たちがどんな個性を持っているのか、あらすじだけではまだわからないけど、「賢者」というキーワードがタイトルにある以上、ただ見た目がいいだけじゃなくて知性や戦闘力を兼ね備えた女性キャラが出てきそうな予感がする。強くて美しい女性キャラ、最高では? うちの職場のミカ先輩も強くて怖いけど美しさは……いや、やめとこう。
あと気になるのが「魔人」の存在。敵キャラがどれだけ魅力的かって、バトル系の作品では超重要なポイントだと思う。ダークファンタジーと銘打っている以上、ただの雑魚モンスターじゃなくて、圧倒的な存在感を持つ敵が立ちはだかるんだろう。主人公が普通の会社員だからこそ、その敵との力の差にハラハラする展開が待っていそうで、ページをめくる手が止まらなくなるやつだ。
会社で理不尽な仕事を振ってくるタナカ課長も、ある意味私にとっての「魔人」みたいなものだけど……いや、課長と魔人を一緒にするのは魔人に失礼か。
見どころ③:剣を振るう爽快感と、ダークな世界で燃えるあの感覚
この作品のジャンルはバトル・アクションにシリアス、そしてダークファンタジー。つまりこれは、読んでスカッとする系の爽快バトルが楽しめる作品なんだと思う。普通の会社員が魔物や魔人と戦うっていう構図自体が、もう燃えるでしょ。日常ではExcelと格闘するのが精一杯の人間が、異世界では剣を握って命がけの戦いに挑む。そのギャップがたまらない。
バトル系マンガの何がいいって、強敵を前にしてボロボロになりながらも立ち向かっていく瞬間の、あの高揚感だ。安良川圭が最初は右も左もわからない状態から、戦いの中で成長していくんだとしたら、その過程を追いかけるのは読者としてめちゃくちゃ気持ちいいはず。レベルアップの達成感、新しい技を覚える興奮、仲間と連携して強敵に挑むアツさ。この手のジャンルが持つ「読んだ後に拳を握りしめたくなる」感覚、疲れた社会人にはビタミン剤みたいに効く。
しかもこの作品、タイトルに「剣」が入っているのがいい。魔法メインの作品も好きだけど、剣で斬り合うバトルには独特の重さと迫力がある。ダークファンタジーだからこそ、きれいごとだけじゃない血と泥にまみれた戦いが描かれるんじゃないかと期待してしまう。……でもまあ、どれだけバトルで熱くなっても、スマホの画面を閉じれば目の前にあるのは散らかったワンルームなんだけどね。現実には剣もスキルもない。あるのは明日の朝7時のアラームだけ。
見どころ④:「仕事帰りに転移」って、それ今夜の私じゃん
この作品が社畜の心に刺さる最大のポイント、それは「仕事帰りに異世界転移」っていう設定そのものだと思う。朝起きて満員電車に乗って、デスクで8時間以上拘束されて、残業して、疲れ果てて帰路につく。その帰り道に突然異世界に飛ばされる。正直に言う。羨ましい。いや、命の危険があるのはわかってる。魔物に襲われるのは怖い。でも、あの通勤ラッシュと月曜朝のミーティングから永遠に解放されるなら、多少の魔物くらいどうにかなる気がする。気がするだけだけど。
安良川圭がスーツ姿で異世界をさまよう描写って、たぶん読んでて笑えると同時にちょっと切ないんだろうな。だってスーツって「社会に所属している証」みたいなものだから。それを着たまま異世界に立っている姿は、「会社員としての自分」と「新しい世界で生きる自分」の境界線に立っている感じがして、なんだか他人事じゃない。タナカ課長に「明日の資料まだ?」って聞かれる夢を見るよりは、魔物と戦う異世界の夢を見たいよ、私は。
同じように毎日ヘトヘトで帰宅して、スマホでマンガを読むことだけが楽しみっていう同志たちに、この作品は間違いなく響くと思う。
ユウの本音まとめ
あらすじとジャンルを見た段階で「これは好きなやつだ」と直感した作品だったけど、実際に読み始めたらその直感は正しかった。普通の会社員がスーツのまま異世界に放り出されて、美女と出会い、魔人と戦う。シンプルに見えてこの構成、社畜の心を掴む要素が全部入ってる。ダークファンタジーという重めのジャンルなのに、お色気やセクシー要素もあるっぽいから、シリアス一辺倒にならずに緩急がありそうなのも嬉しい。
正直、恋愛モノやもふもふ系が普段の私のストライクゾーンなんだけど、たまにこういうバトル系のダークファンタジーを読むと、違う筋肉が刺激される感じがしていい。日常で使わない「熱くなる」っていう感情を呼び起こしてくれるというか。安良川圭の冒険がどこまで続くのか、続きが出たら間違いなく読む。できれば有給の日に布団の中で一気読みしたい。
現実はスーツを着て満員電車に乗るだけの毎日だけど、こういうマンガがあるから、まあ、もうちょっとだけ頑張れる。明日もとりあえず会社には行く。帰りの電車でまた読めばいいんだから。

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