日曜の夜、明日の仕事を考えたくなくて、布団に潜り込んでスマホをいじっていた。洗い物もしてないし、明日着るブラウスのアイロンもかけてない。でも動きたくない。月曜の朝が来るのが怖い。この恐怖から逃げるには、もうマンガしかない。そんな気持ちでDMMブックスのおすすめ欄をスクロールしていたら、目に飛び込んできたタイトルがこれだった。『俺の死亡フラグが留まるところを知らない』。……いや、わかる。わかりすぎる。私の社会人生活も死亡フラグが留まるところを知らないんだが。
タイトルのインパクトに釣られて表紙をタップしたら、なんかこう、雰囲気がちゃんとしてる。ファンタジー感がしっかりあって、でもどこかコミカルな空気も漂っていて。「なろうコングランプリ受賞作品」って書いてあるし、じゃあハズレではないだろうと。軽い気持ちで読み始めたら、これがまた止まらない。気づいたら日付が変わっていて、明日のことなんか完全に忘れてた。
いや、正確に言うと忘れたかったから読んでたんだけど。結果的に「明日の会議の資料まだ直してない」という死亡フラグを自分で立ててしまった。でもいい。後悔はしてない。このマンガを読めたんだから。月曜の朝の私がなんとかするでしょ。知らんけど。
今日のユウのため息 ── お局のミカ先輩との人間関係 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── 俺の死亡フラグが留まるところを知らない

| 作品名 | 俺の死亡フラグが留まるところを知らない |
|---|---|
| 作者 | 乙須ミツヤ, 泉 |
| シリーズ | 俺の死亡フラグが留まるところを知らない |
| ジャンル | ファンタジー, DMMブックス限定特典付き |
要するにこういう話だ。普通の大学生・平沢一希くんが、自分がやり込んだゲーム『Brave Hearts』の世界に飛ばされる。ここまでは異世界転生のテンプレ。でもここからが違う。転生先が主人公じゃなくて、「悪役キャラ」のハロルド・ストークスなのだ。しかもこのハロルド、ゲームのシナリオ通りに進むと最終的に主人公たちに倒されて死ぬ運命。つまり、何もしなければ死ぬ。
一言でまとめるなら、「普通の大学生がゲームの悪役に憑依して、自分の死亡フラグを必死に回避しようとする話」。ただし、ハロルドの肉体は作中屈指の強さを誇るらしい。ゲームの知識もフル活用できる。つまり手札はある。でもシナリオという名の運命が容赦なく死亡フラグを立ててくる。この「強いのに詰んでる」感じがたまらなく面白そうで、あらすじ読んだ時点でもう「あ、これ好きなやつだ」ってなった。
見どころ①:「強いけど詰んでる」という絶妙な絶望感がクセになる
異世界転生ものって、チートスキルもらって無双するパターンが王道だと思う。それはそれで好きだけど、この作品はちょっと毛色が違う。あらすじを読む限り、主人公(中身は平沢一希)は確かに強い。ハロルドの肉体は作中屈指の強さだし、ゲームの知識もある。でも、その強さだけでは「死亡フラグ」を回避できないかもしれない、というのがミソだと思う。
この手の「悪役に転生してシナリオを変えようとする」系の作品って、単純な力だけじゃなくて頭を使わないといけないのがいい。ゲームのシナリオという「決められた運命」に対して、知識と戦略で抗っていく。力押しじゃなくて、「このイベントが起きたらこう対処する」「このキャラとの関係をこう変える」みたいな駆け引きが生まれるはずで、この手のジャンル特有のヒリヒリ感がたまらないんだ。
しかも「悪役の肉体に入ってる」っていうのが最高にややこしい。周囲から見たらハロルドは嫌な奴のはずで、中身が善人に変わったところですぐには信用されないだろう。この「中身と外見のギャップ」から生まれるすれ違いとか誤解って、ストーリーの推進力になるし、読んでて「あぁもう、わかってあげてよ!」ってなるやつ。
私の仕事でも、良かれと思ってやったことが裏目に出ることなんてしょっちゅうだ。「この資料、先に作っておきました」って言ったら「勝手にやるな」って怒られるし、聞いてからやったら「自分で考えろ」って言われるし。死亡フラグの乱立具合で言えば、私の職場も負けてない。だからこそ、ハロルドがフラグ回避に奮闘する姿に、妙にリアルな共感を覚えてしまうのだ。
見どころ②:悪役の皮を被った善人って、もう推すしかないでしょ
ハロルド・ストークスというキャラクター、設定だけでもう美味しすぎる。外見は悪役。態度も(おそらく元のキャラ設定的に)傲慢。でも中身は普通の大学生・平沢一希。このギャップだけでごはん何杯でもいける。あらすじの段階でこれだけ魅力的な主人公、実際に読んだらどうなってしまうんだろう。
この手の「悪役憑依もの」の主人公って、周りから誤解されながらも本当は優しいことをする、みたいな展開が王道だと思う。表面上はツンツンしてるのに、やってることはめちゃくちゃ人助け。それを本人は「死亡フラグ回避のためにやってるだけだから」って言い訳するんだろうけど、いや、それ普通に善人ですから。こういう不器用な善意って、見てるこっちの心がじんわりする。
それに、ゲームの主人公たちとの関係がどうなるのかも気になる。本来は敵対する立場なのに、中身が変わったことでどう絡んでいくのか。あらすじには「主人公たちに倒される」とあるから、この関係をどう変えていくかが物語の軸になるんだろう。敵になるはずだった相手と共闘したり、信頼を勝ち取ったりする展開があるとしたら、それはもう激アツ。
職場で言えば、ハロルドの立場ってちょっとタナカ課長に似てるかもしれない。……いや、タナカ課長の中身が善人に変わることは絶対にないから全然違うか。むしろ私がハロルドの立場だ。「あの子は愛想がない」「何考えてるかわからない」って言われがちだけど、こっちは普通に仕事してるだけなんだよ。中身を見てくれ。中身を。
見どころ③:死亡フラグ回避のスリルは、最高の脳内エナジードリンク
この作品の一番の中毒性は、やっぱり「死亡フラグ回避」のハラハラ感だと思う。ただチートで敵をなぎ倒す爽快感とはまた違う、頭脳戦的なスリル。ゲームの知識を使って「このイベントはこう回避する」「この選択肢を選んだらこうなる」って先読みしながら立ち回る感じ、パズルを解くような快感があるはず。しかも失敗したら死ぬわけで、その緊張感が半端ない。
この「知識チート×サバイバル」の組み合わせって、読んでて脳が活性化する感じがする。深夜に布団の中でスマホで読んでるのに、目が冴えてくるタイプの面白さ。エナジードリンクとかいらない。このマンガが覚醒剤(合法)だ。「次のフラグはどう回避するの?」「え、そっちから新しいフラグ立つの?」みたいに、ページをめくる手が止まらなくなる予感がプンプンする。
なろうコングランプリ受賞という看板も伊達じゃないだろうし、この手の「運命に抗う」系の作品はストーリーの構成力がモノを言う。伏線の張り方とか、フラグの回避方法の意外性とか、そういう「作者の手腕」が問われるジャンルだからこそ、受賞作品という安心感がある。
……とはいえ、どんなにハロルドが死亡フラグを回避しても、私の「月曜朝のミーティング」というフラグは誰にも回避できない。現実の死亡フラグには、ゲーム知識もチートも効かないのだ。悲しい。
見どころ④:死亡フラグ回避スキル、現実の職場にも実装してくれ
この作品を読みながらずっと思ってたのは、「この死亡フラグ回避能力、職場で使いたい」ってこと。だって私の職場、死亡フラグだらけなんだもん。タナカ課長が朝から機嫌悪い(死亡フラグ)。ミカ先輩が「ちょっといい?」って声かけてくる(死亡フラグ)。金曜の夕方に「来週の月曜までに」って仕事振られる(致命的な死亡フラグ)。
ハロルドはゲームの知識があるから先の展開を読めるけど、私だって社会人何年目だと思ってるんだ。「タナカ課長がコーヒーを飲み終わる前に報告書を出す」「ミカ先輩が昼休みに入る5分前には話しかけない」「金曜の16時以降はなるべく存在感を消す」——これだって立派な死亡フラグ回避スキルだろう。誰か褒めてくれ。
同じように毎日の仕事で「やらかしたら終わる」っていう緊張感の中で生きてる人には、この作品は他人事じゃないはず。ハロルドの奮闘を見ながら「わかる、わかるよその気持ち」って頷ける。そして読み終わった後、「まぁ、明日も死亡フラグ回避するか……」って、ほんのちょっとだけ前向きになれる。ほんのちょっとだけね。
ユウの本音まとめ
正直、あらすじを読んだ時点で「あ、これ当たりだな」って直感があった。「悪役に転生」「死亡フラグ回避」「ゲーム知識活用」——このキーワードの組み合わせだけで面白くならないわけがない。なろうコングランプリ受賞作品のコミカライズということで、原作のストーリーの骨格がしっかりしている期待感もある。設定の妙とキャラの魅力、そして「次はどうなるの?」という引きの強さ。深夜のスマホ読書にこれ以上ないくらいぴったりの作品だと思う。
ハロルドの中身である平沢一希くんの「必死に生き延びようとする姿勢」が、なんか妙に元気をもらえる。彼は文字通り死ぬかもしれない状況で戦ってるわけで、それに比べたら私の「月曜の朝がつらい」なんて大したことないのかもしれない。……いや、やっぱりつらいものはつらい。でも、ハロルドが死亡フラグに立ち向かえるなら、私も月曜の朝に立ち向かえる気がする。たぶん。おそらく。
現実はゲームみたいにリセットできないし、攻略情報もない。でもこういうマンガを読んで「明日もなんとかなるか」って思える夜があるだけで、だいぶ救われてる。続きが出たら、また日曜の夜に読む。月曜の準備?ハロルドに比べたら私の死亡フラグなんてかわいいもんだ。……たぶん。


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