飲み会を断って帰宅した夜。「ごめん、今日ちょっと体調悪くて」って言ったけど、体調は別に悪くない。ただ人間と喋る気力がなかっただけ。風呂上がりにタオルで髪を拭きながら、スマホの電子コミックアプリを開いた。おすすめ欄に「漫画家が異世界転生」っていうパワーワードが並んでて、思わず指が止まった。漫画家が異世界に行って、しかもお絵描きスキルで無双する? なにそれ、気になりすぎるでしょ。
『ドローイング 最強漫画家はお絵描きスキルで異世界無双する!』。タイトル長いな。でもこの手のタイトルって、長ければ長いほど中身が気になってしまう私の性分はもうどうしようもない。表紙を見た感じ、作画がめちゃくちゃ綺麗で、これだけで「あ、ハズレじゃないな」って直感が働いた。とりあえず第1話だけ、って思って読み始めたのに、気づいたらドライヤーもかけずに7話まで読み切ってた。髪びしょびしょのまま布団に入って、「あー、続き読みたい」って天井に向かって呟いた夜。こういう夜があるから、飲み会断って正解だったんだよな。
今日のユウのため息 ── 将来への不安・恋愛の枯渇 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── ドローイング 最強漫画家はお絵描きスキルで異世界無双する!

| 作品名 | ドローイング 最強漫画家はお絵描きスキルで異世界無双する! |
|---|---|
| 作者 | 林達永, 金光鉉 |
| シリーズ | ドローイング 最強漫画家はお絵描きスキルで異世界無双する! |
| ジャンル | ラブコメ, 恋愛, バトル・アクション, 異世界系, ファンタジー |
要するにこういう話。前世で漫画家として大成功した神代彰っていう主人公が、仕事一筋で人間関係をおろそかにした人生を後悔しながら亡くなって、異世界に転生するチャンスをもらう。しかも「自分で母親を選べる」っていう謎の特典つき。転生先では剣術も魔法もてんでダメなんだけど、家族に愛されて平穏に暮らしてたある日、「絵を描く」ことで色んなものを具現化できるチート能力に目覚めてしまう、と。
一行でまとめると、「前世の後悔を抱えた元・売れっ子漫画家が、異世界でお絵描きスキルを武器に無双する話」。剣も魔法もダメなのに絵で戦うって、異世界転生ものの中でもかなり変わり種だと思う。しかも「成功したけど孤独だった前世」からの転生ってところが、ただのチート無双とは違う味付けになってる気がする。あらすじ読んだだけで「これは人間ドラマもあるやつだな」って伝わってくるの、地味にすごい。
見どころ①:「お絵描きで具現化」って設定、天才すぎない?
異世界転生ものって、だいたい「剣が強い」か「魔法が強い」か「鑑定スキルが便利」かのどれかに落ち着くイメージがある。でもこの作品、「絵を描いたものが具現化する」っていうスキル。これがもう、設定の時点で面白い。だって考えてみてほしい。剣が必要なら剣を描けばいいし、盾が必要なら盾を描けばいい。しかも主人公は前世でプロの漫画家だから、画力がそのままチートの精度に直結するわけでしょ。めちゃくちゃロマンがある。
しかもこの主人公、剣術も魔法も「ダメダメ」っていう設定なのがいい。異世界転生で最初から万能だと「はいはいチートチート」ってなりがちだけど、戦闘の基礎がないからこそ、お絵描きスキルで工夫しないといけない。この「基本スペックは低いけど一点突破の特殊能力がある」っていうバランスが、たぶんストーリーの面白さを引き出してるんだろうなって、あらすじの段階で感じた。
そして何より「前世で成功したけど人間関係を犠牲にした後悔」っていうバックボーンが重い。異世界で家族に愛されて平穏に暮らしてたっていうのが、前世との対比になってるわけで。この手の話って「チートで俺TUEEE」だけだと飽きるけど、主人公に「今度こそ大切な人を守りたい」みたいな動機がありそうなのがいい。……いや、あらすじ読む限りの推測だけど。でもこういう設定って、現実で仕事ばっかりで友達と疎遠になりつつある私には、なんかこう、刺さるものがあるんだよな。
ラブコメ要素もあるみたいだし、バトルだけじゃなくて日常の温かみもありそうなのがポイント高い。「絵で無双」っていう異色の切り口と、人間ドラマの両立。これ、序盤からかなり引き込まれる構成になってるんだろうなと思う。
見どころ②:神代彰、前世の後悔ごと抱きしめたいキャラ
主人公の神代彰。この人がね、ただの「俺TUEEE系主人公」じゃないところがいいんだと思う。前世では漫画家として大成功してるの。でも「成功だけに囚われて人間関係を蔑ろにし続けた」って、これ、なかなかの重さでしょ。成功してるのに幸せじゃないって、ある意味一番つらいやつ。仕事はできるけど周りに人がいない。……うん、これは別に私の話じゃないけど、なんか胸がギュッてなる。
転生後は家族に愛されながら平穏に暮らしてるっていうのが、もうそれだけで救い。前世で得られなかったものを今度こそ手に入れてるわけで。この「やり直し」感が異世界転生ものの醍醐味だよなって思う。しかも剣も魔法もダメなのに腐らないで、自分にできること──つまりお絵描き──で道を切り開いていくんでしょ? この「不器用だけど自分の武器で戦う」っていうスタンス、私の職場のユナちゃんに見せたい。あの子、自分に自信ないって言うけど、資料作りのセンスは天才的なんだよな。
あと、あらすじからはまだ詳しいキャラ関係は読み取れないんだけど、ラブコメジャンルがついてるってことは、たぶん恋愛要素もしっかりあるはず。「自分で母親を選んで転生」っていう設定もあるし、家族関係の描写が丁寧そうなのがうかがえる。こういう「戦いだけじゃなくて人との繋がりを大切にする主人公」って、なんだかんだ一番応援したくなるタイプなんだよな。前世の孤独を知ってるからこそ、今度は人を大事にする彰を見て、私もちょっと「明日は同僚にお菓子でも配ろうかな」とか思ってしまった。思っただけだけど。
見どころ③:お絵描き無双の爽快感と、じんわり沁みる人間ドラマの二刀流
この作品、ジャンルに「バトル・アクション」と「ラブコメ」が両方入ってるのがすごくいいなと思ってて。お絵描きスキルで具現化したもので敵を圧倒する爽快感と、前世の後悔を乗り越えて人と繋がっていくラブコメの温かさ。この二つが一つの作品に同居してるのって、読む側としてはお得感がすごい。疲れてる夜にバトルの爽快感で脳を刺激されて、直後にほっこりする日常パートで癒される。一粒で二度おいしいやつ。
特に「絵を描くことで具現化する」っていうスキルの特性上、どんな戦い方をするのか予想がつかないのがワクワクする。この手の作品って「次はどんなもの描くんだろう」っていう期待感がページをめくるモチベーションになりそうで。剣を描いて斬るのか、壁を描いて防ぐのか、はたまた想像もつかないものを描いて度肝を抜くのか。クリエイターが主人公っていう設定だからこそ、発想力がそのまま強さに繋がるっていうのが見てて気持ちいいんだと思う。
……まあ、現実の私がExcelに何を描いても何も具現化しないんですけどね。描いたところで出てくるのは「前月比▲3%」とかいう悲しい数字だけ。でもだからこそ、こういうマンガの中で誰かが自分の才能を武器に無双してるのを見るのが楽しいんだよな。結局お風呂上がりの湿った髪を放置して読み耽った夜は終わり、明日はまたタナカ課長の前で報告資料を読み上げる日常に戻る。でもこの作品の続きがあると思えば、まあ、明日もなんとかなる。
見どころ④:「得意なことで戦う」って、仕事でも同じじゃんって話
神代彰って、剣も魔法もダメなのにお絵描きスキルで無双するわけでしょ。これ、仕事に置き換えたらめちゃくちゃ刺さる話なんだよな。私だって営業トークは壊滅的だし、プレゼンで人前に立つと声が震える。でもExcelの関数を組むのは早いし、議事録を誰よりも正確に取れる自信はある。……地味か。地味だな。でもこの作品の主人公だって、異世界基準で見たら「絵を描くだけ」って最初は馬鹿にされそうな能力じゃん。それが実は最強だったっていう展開、「苦手なことより得意なことで勝負しろ」っていうメッセージに聞こえて泣ける。
あと「前世で人間関係を蔑ろにした後悔」っていうの、タナカ課長に聞かせたい。あの人、部下のケアより数字しか見てないから。ミカ先輩はミカ先輩で「仕事できる人は孤独になるのよ」とか言ってたけど、それって美化しすぎでしょ。この作品の主人公は「成功したけど孤独だった」ことを後悔してるんだから。成功と人間関係、どっちかしか選べないなんて嘘だと信じたい。……信じたいだけで、現実は知らない。でもマンガの中くらい、両方手に入れてほしいよね。
ユウの本音まとめ
正直、あらすじを読んだ時点では「お絵描きで無双って成立するの?」って半信半疑だった。でも実際に読み始めたら、その「お絵描き」っていう一見ふざけた設定が、前世の経験と繋がってて、主人公のアイデンティティそのものになってるのが分かる。ただのチート無双じゃなくて、「前世で磨いた技術が異世界で花開く」っていうストーリーの骨格がしっかりしてるから、読んでて気持ちいい。作画の綺麗さも相まって、目が幸せ。
あと個人的に、「成功したけど孤独だった前世」からの「愛される異世界生活」っていう対比がめちゃくちゃ好き。前世の後悔を抱えてるからこそ、今度は人との繋がりを大切にする主人公の姿が沁みる。私は別に前世で成功なんかしてないし、現世でもExcelと格闘してるだけの事務職だけど、「大切なものを見失わないようにしよう」って、ほんのちょっとだけ思えた。ほんのちょっとだけね。次の巻が出たら、また飲み会断って読む。それが私の「人間関係を蔑ろにしない」とは真逆の行為だってことには目を瞑る。

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