残業後、終電間際の電車に揺られながらスマホを開いた。今日は本当にひどい一日だった。午前中に急ぎの書類を3件処理して、午後は会議が2本立て続けで、その合間にタナカ課長から「この前の報告書、数字違ってない?」って言われて確認したら課長の方が間違ってたやつ。でも訂正する気力もなくて「確認します」って答えた私、偉すぎないか。偉すぎるよ。もう何も考えたくない。
そんな死んだ目でマンガアプリのおすすめ欄をスクロールしてたら、飛び込んできたのがこのタイトル。「勇者に全部奪われた俺は勇者の母親とパーティを組みました!」……いや、情報量。情報量が多い。タイトルだけで設定全部説明してくれるタイプのやつだ。追放されて、奴隷市場で、勇者の母親と出会って……って、え、ママ?ママなの?
正直、タイトルのインパクトだけで開いた。深夜テンションの私をここまで一瞬で掴むの、才能だと思う。電車が最寄り駅に着いても読むのやめられなくて、改札出てからホームのベンチでそのまま座って読み続けてしまった。帰れ。家に帰れ、私。でも止まらないんだわ、これ。
今日のユウのため息 ── ちょっとした不運・体調不良 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── 勇者に全部奪われた俺は勇者の母親とパーティを組みました!

| 作品名 | 勇者に全部奪われた俺は勇者の母親とパーティを組みました! |
|---|---|
| 作者 | 久遠まこと, 石のやっさん |
| シリーズ | 勇者に全部奪われた俺は勇者の母親とパーティを組みました! |
| ジャンル | ファンタジー |
要するにこういう話だ。主人公のセレスくんは勇者パーティの一員だったのに、勇者ゼクトから突然クビを宣告される。理不尽追放。ここまではよくある「追放もの」のテンプレなんだけど、ここからが違う。一人になったセレスくんが家事をやってくれる奴隷を探しに行ったら、なんと奴隷市場にいたのが勇者ゼクトの母親・静子さんだったという。
つまり「お前をクビにした勇者の母親が、お前のパーティメンバーになる」っていうとんでもない構図。しかもあらすじに堂々と「異世界ママハーレム」って書いてある。隠す気ゼロ。潔い。「理不尽に追放された少年の異世界ママハーレムが今、産声を上げる」って、産声って言っちゃうのか。ママだけに。
一行でまとめると「勇者にクビにされた青年が、勇者のお母さんと一緒に再出発する異世界ファンタジー」。このあらすじだけでもう面白い。設定の勝利。
見どころ①:「追放×ママ」という前代未聞の組み合わせが天才すぎる
異世界マンガの追放ものって、もうかなりの数を読んできた。「追放されたけど実は最強でした」「追放先で新しい仲間と出会いました」「追放した側がざまぁされます」……このあたりのテンプレはもう私の中で一つのジャンルとして確立されてる。でもこの作品、そこに「勇者の母親」をぶっ込んできた。いやその発想はなかった。
だって考えてみてほしい。自分をクビにした上司の母親と一緒に仕事することになったら……って想像したらめちゃくちゃ気まずくないか? タナカ課長に異動を告げられて、その翌日にタナカ課長のお母さんが隣のデスクに座ってたらどうする? 私なら辞表を出す。でもセレスくんはそこからパーティを組むわけだ。この設定だけで物語の推進力がすごい。
しかも静子さんは奴隷として売られていたわけで。勇者の母親がなんで奴隷に? っていう謎がある。あらすじを読む限り、この親子関係にも何かありそうで、ゼクトが母親を奴隷に落としたのか、それとも別の事情があるのか。ここの背景が気になりすぎる。追放ものの「なぜ追放されたか」という謎に加えて、「なぜ勇者の母が奴隷に」という二重の謎が序盤から仕掛けられてるわけで、ページをめくる手が止まらない構造になってる。
あとタイトルに「全部奪われた」ってあるのがいい。「クビにされた」じゃなくて「全部奪われた」。居場所も、仲間も、たぶん功績も。この「全部」って言葉の重さが、追放の理不尽さを増幅させてる。だからこそ、奪われた側が新しいパーティで成り上がっていく展開に期待が膨らむ。この手のジャンルの醍醐味は、奪った側が後悔する瞬間なんだよな。
見どころ②:静子さんという存在がもう反則
まず静子さんよ。名前からしてもう好き。異世界ファンタジーの世界観で「静子」。このギャップだけで優勝してないか。おそらく日本由来の名前ってことは、静子さんにも何かしらの転生・召喚的な背景がありそうで、そこだけでもうストーリーの奥行きがすごい。しかも「勇者の母親」で「奴隷に落とされている」って、どんだけ波乱万丈な人生送ってるの。私の人生の100倍ドラマチック。
そして主人公セレスくん。理不尽に追放されて、それでも腐らずに生活を立て直そうとしてるところがいい。奴隷市場に行った理由が「身の回りの世話役」っていうのも、なんかリアルで。追放された直後って、戦闘とか冒険より前に「明日からの飯どうしよう」問題があるもんね。この生活感、妙に共感する。一人暮らしの私、引っ越し初日にカーテンがなくて段ボールで窓塞いだあの日を思い出した。
勇者ゼクトについてはまだあらすじの段階だけど、もうすでにヘイトが溜まってる。仲間を追放して、しかも母親が奴隷に落ちてるのに何もしてないのか? っていう。この手の追放ものの「追放した側」って、だいたい後で痛い目見るんだけど、この作品の場合は母親が元仲間のパーティにいるっていう構図がもうコントみたいで最高。ゼクトが「え、なんでお母さんがそっちに……?」ってなる展開を想像するだけで、ニヤニヤが止まらない。
あと「ママハーレム」って銘打ってるからには、静子さん以外にも母親的なキャラが増えるのかもしれない。この手のジャンルは仲間が増えていくのが楽しいんだよな。どんなキャラが加わるのか、タイトルから察するにかなり賑やかなパーティになりそうで、それだけでワクワクする。
見どころ③:「ざまぁ」の快感は社会で殴られた人間にしか分からない
この作品の一番の魅力は間違いなく「カタルシス」だと思う。全部奪われた主人公が、奪った側の急所(=母親)を味方につけて再起するっていう構図が、もう設定の時点でスカッとする。実際の展開を読んでなくても、この構図だけでストゼロ1缶空けられる。
理不尽な目に遭ったことがある人間なら分かると思うけど、「ざまぁ」展開の何がいいって、現実では絶対に起きない逆転劇を見せてくれるところなんだよ。現実の私は、タナカ課長の間違いを指摘できずに「確認します」って言うだけの人間だ。でもこのマンガの世界では、理不尽にクビにされた主人公がちゃんと報われる。奪った側がちゃんと後悔する。そういう世界があるっていうだけで、なんか救われる。
しかもこの作品、単純な「ざまぁ」だけじゃなくて、「母親との関係性」っていう人間ドラマも内包してるのがいい。勇者が自分の母親を見捨てた(あるいは知らなかった)のだとしたら、その事実が明らかになった時の衝撃はかなりのものだろう。ただスカッとするだけじゃなくて、人間関係の複雑さも描いてくれそうな気配がある。
……まあ、そうやってカタルシスを味わっても、朝になったら結局会社に行くんだけどね。でもいいんだ。このスカッと感が明日の朝8時半までの燃料になるなら、それでいい。
見どころ④:クビ宣告された経験はないけど、理不尽なら毎日食らってる
セレスくんが勇者パーティをクビになるシーン、あらすじを読んだだけでも胃が痛い。突然のクビ宣告。何が怖いって「突然」ってところよ。前兆もなく、いきなり切り捨てられる恐怖。私は幸いクビになったことはないけど、突然の理不尽なら日常茶飯事だ。昨日まで「いいね」って言われてた企画が今日は「方向性が違う」って言われたり、ミカ先輩が「私はそんなこと言ってない」って言い出したり。小さな追放は毎日起きてる。
だからこそ、セレスくんが追放された後に一人で生活を立て直そうとしてるのが刺さる。誰かに泣きつくんじゃなくて、まず「身の回りの世話をしてくれる人を探そう」っていう実務的な判断をしてるのがリアル。会社で嫌なことがあっても、とりあえず明日のお弁当は作らなきゃいけないし、洗濯物は干さなきゃいけない。生活は待ってくれない。その感覚、めちゃくちゃ分かる。
「全部奪われた」っていうフレーズ、月曜の朝にふと思い出しそう。そしてセレスくんの顔を思い浮かべて「あいつも頑張ってるし、私も頑張るか」って自分を奮い立たせるんだろうな。それでいい。マンガってそういう使い方でいいんだ。
ユウの本音まとめ
正直に言うと、タイトルを見た時は「また追放ものか」と思った。思ったんだけど、「勇者の母親とパーティを組む」っていう一点突破の設定で全部持っていかれた。追放もの、転生もの、ハーレムもの、色々読んできたけど、「追放した奴の母親が味方になる」っていう構図は新鮮すぎる。この発想の時点でもう勝ちだと思う。
あらすじを読む限り、ストーリーの引きも強いし、キャラの関係性も複雑で面白そうだし、何より「この先どうなるの?」っていう好奇心がすごい。静子さんとセレスくんの関係がどう発展していくのか、ゼクトがこの状況を知った時にどうなるのか。気になることだらけで、終電を逃しかけた夜の私の判断は間違ってなかった。
現実はクソだ。今日も理不尽だったし、明日も理不尽だろう。でもこういうマンガが深夜のスマホの中で待っててくれるから、なんとか明日も改札をくぐれる。セレスくんが全部奪われても立ち上がったんだから、私も月曜の朝くらい立ち上がれるはず。たぶん。

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