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【深夜の現実逃避】『爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ! THE COMIC』が意志薄弱な社畜の心に刺さりすぎる件

飲み会を断って帰ってきた夜だった。上司のタナカ課長が「親睦を深めよう」とか言い出して、部署全体の飲み会が急遽セッティングされたんだけど、私は「ちょっと体調が……」と嘘をついて逃げた。ごめんなさい。でも無理だった。今週ずっと月末処理で残業続きで、金曜の夜くらい一人にさせてほしかった。風呂上がりにドライヤーもかけずに布団にダイブして、濡れた髪のまま電子マンガのアプリを開いた。そこで目に飛び込んできたのが、このタイトルだった。

『爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ!』。……え? もう遅い、じゃなくて、戻るの? しかも「戻りましゅぅぅ」って何? 意志弱すぎない? 思わず二度見した。いや三度見した。普通、追放系って「もう遅い」で突っぱねるのがテンプレじゃないの? なんで敗北してるの? タイトルの時点で主人公が負けてるの初めて見た。あまりにも気になりすぎて、気がついたらページを開いていた。

そこから止まらなかった。笑いが。そして、なんだろう……この主人公の意志の弱さに、私はものすごく親近感を覚えてしまったのだ。飲み会断ったくせに、タナカ課長から「やっぱり来ない?」ってLINE来たら揺らぎそうになった私と、何が違うっていうんだろう。濡れた髪がじわじわ枕を湿らせていくのも気にならないくらい、画面に釘付けになった。

今日のユウのため息 ── 責任逃れの上司タナカ課長 ──

限界OLユウ - 責任逃れの上司タナカ課長

今日、取引先から納品データの不備について問い合わせが来た。あのデータ、タナカ課長が「これでいいから送っといて」って言ったやつ。私、念のため「この数値、前回と整合性取れてないですけど大丈夫ですか」って確認までしたのに、「大丈夫大丈夫、先方も細かいとこ見てないから」って。で、いざクレームが来たら何て言ったと思います?「え、ユウさんが確認して送ったんだよね?」って。いや、確認したから聞いたんですけど。あなたがGO出したんですけど。会議室で先方に謝罪のメール文面作ってたの、私一人ですけど。課長はその間、別フロアの自販機コーナーで缶コーヒー飲んでたらしい。後輩が目撃してた。

なんかもう、こういうことが積み重なると肩から首にかけてがずっと詰まってる感じになる。デスクに戻ってからもキーボード打つ指が妙にこわばって、右の肩甲骨あたりがじんじん痛い。ストレスって本当に体に来るんだなって、三十代になってから痛感してる。湿布貼りたいけど、オフィスであの匂いさせるのもなって思うと我慢するしかない。

責任取らない人がなんで課長やれてるんだろう、って考え始めると終わらないからやめとこう。考えたところで私の肩甲骨の痛みが消えるわけでもないし、明日もあの人の下で仕事するのは変わらない。…もういい、今日は早く布団入ってマンガ読も。人間の上司より、マンガに出てくるもふもふの方がよっぽど信頼できる。

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。

作品情報 ── 爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ! THE COMIC

爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ! THE COMIC
作品名爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ! THE COMIC
作者海老名えび, はやほし
シリーズ爆乳たちに追放されたが戻れと言われても、もう遅……戻りましゅぅぅ! THE COMIC
ジャンル異世界系, ファンタジー

要するにこういう話。S級パーティー【白き雷光】に所属していた主人公のシンが、「お前実力不足だから」と追放される。よくある追放系の導入。ここまでは王道。でも実は、パーティーが強かったのはシンのおかげでしたーっていう、これもまあ追放あるあるの展開。ここまでなら「ざまぁ」展開に突入するはずなんだけど……。

この作品が異常なのは、元パーティーの女の子たちが「戻ってきて!」とシンを引き戻しにくるとき、その武器が「爆乳」だということ。そしてシンが、あっさり屈する。タイトル通り「もう遅い」と言い切れずに「戻りましゅぅぅ」ってなる。主人公大敗北。あらすじにも堂々と「主人公大敗北」って書いてある。清々しいほどの敗北宣言。

一行でまとめるなら、「追放されたけど誘惑に負けて戻っちゃう、意志薄弱系異世界ファンタジー」。……いや、共感しかないんだけど。

見どころ①:「もう遅い」って言えない人生、わかりすぎて辛い

追放系マンガのお約束って、「もう遅い」の一言でバッサリ切り捨てるところにカタルシスがあるわけじゃないですか。理不尽に追い出した側が「戻ってきてくれ!」って泣きついてきたときに、冷徹に「もう遅い」って言い放つ。あれが気持ちいいのはわかる。でも、正直なところ……私はあの主人公たちみたいに強く突き放せる自信がない。

だってさ、現実の私を見てほしい。仕事を押し付けてきた同僚に「ちょっとこれもお願い」って言われたら、「あ、はい……」って引き受けちゃう。ミカ先輩に「ユウちゃん、これ急ぎでお願い」って言われたら、自分の仕事後回しにしてやっちゃう。「もう遅い」なんて一生言えない側の人間なのだ、私は。だからシンの敗北が、笑えるのに笑えない。他人事じゃないから。

あらすじを読む限り、シンは本当に実力者なわけで、追放した側が間違っていたのは確定なんだけど、それでも誘惑されたら揺らいじゃう。この「正しさよりも弱さが勝つ」っていう構図が、たまらなくリアルで、たまらなくおかしい。普通の追放系が「強さの証明」なら、この作品は「弱さの肯定」なのかもしれない。いや、肯定していいのかはわからないけど。

それと、タイトルからして「掟破り」を自称しているだけあって、追放系のテンプレを知っているからこそ裏切られる面白さがありそう。お約束をわかった上でぶっ壊してくる感じ。こういう設定、好きなんだわ。予想を裏切られるのって、疲れた脳みそにはちょうどいい刺激になる。

見どころ②:シン、お前は私だ(意志薄弱仲間として)

主人公のシンに対して、私が最初に抱いた感情は「お前しっかりしろよ」だった。でも読み……いや、あらすじを噛み締めているうちに、それは「お前しっかりしろよ(自戒を込めて)」に変わった。だって、誘惑に負けるってことは、それだけ人間味があるってことでしょ。完璧超人の主人公が「もう遅い」ってクールに切り捨てるより、「戻りましゅぅぅ!」って崩れ落ちるシンのほうが、なんか……好き。

元パーティーの女の子たちについては、あらすじから察するに「爆乳」を武器にしてくるらしい。もう設定の時点でバカバカしくて最高。でもこの子たち、シンを追放しておいて戻ってきてほしいって言ってるわけで、つまり自分たちが間違ってたことに気づいたってことでしょ? そこで素直に「戻ってきて」って言えるのは、ある意味かわいいのかもしれない。まあ手段は選んでほしいけど。

こういうキャラ配置を見ていると、うちの職場を思い出す。タナカ課長が私に無茶振りしておいて、私が「もう無理です」って言ったら「いやでもユウさんしかできないから」って引き留めてくるやつ。あれと構図は一緒なのに、シンの場合は美女が爆乳で迫ってくるわけで。……なんで私の現実は中年男性の「頼むよ〜」なんだ。世界、不公平すぎない?

見どころ③:スカッとしないのに、なぜか癒される不思議

追放系って普通、「ざまぁ」のカタルシスを味わうジャンルなんだけど、この作品はあらすじを読む限り、そこを完全にずらしてきている。主人公が勝たない。誘惑に負ける。「もう遅い」って言えない。スカッとはしない。でも、なんだろう、この脱力感がむしろ心地いい。

たぶんこれ、「頑張らなくていい」っていうメッセージなんだと思う。いや、作者がそう意図しているかは知らない。でも少なくとも私は、シンの敗北に救われている気がする。毎日毎日、仕事で「しっかりしなきゃ」「断らなきゃ」「強くならなきゃ」ってプレッシャーかけてる自分に、「いや別に負けてもいいじゃん」って言ってくれてる気がする。気のせいかもしれないけど。

ただ、言っておくと、読み終わった……いや、スマホを閉じたあとに待っているのは、枕が濡れた髪でじっとりしている現実と、断った飲み会のグループLINEが42件溜まっている通知だった。タナカ課長が酔った勢いで「ユウさんも来ればよかったのに〜」って送ってきている。……シン、お前は爆乳に負けたかもしれないけど、私はこのLINEに既読をつけない強さだけは持っている。そこだけは勝った。

見どころ④:断れない社畜へ贈る、敗北の賛歌

この作品、「断れない人間」の心に深く刺さると思う。職場で無理な依頼を断れない。飲み会を断りきれない。「もう遅い」って言いたいのに言えない。そういう人間にとって、シンは鏡だ。笑っちゃうくらい情けなくて、笑っちゃうくらい自分そのもの。

ミカ先輩に「ユウちゃん、この資料チェックしといて」って言われたときの私の顔、たぶんシンが「戻りましゅぅぅ」ってなってるときと同じ顔してる。目が泳いで、口が半開きで、抵抗する気力がゼロのあの表情。わかる人にはわかるでしょ、この感じ。

通勤電車で読んだら、たぶん笑いをこらえるのが大変なやつだと思う。でもそのあと「あ、私もシンと同じだわ」って気づいて、ちょっとだけ切なくなる。そういう二段構えの感情が味わえるマンガって、実は貴重だと思うんだ。

このマンガはこんな人に刺さるはず

  • 「もう遅い」って言いたいのに言えない全ての社畜
  • 追放系のテンプレに飽きてきた人
  • 誘惑に弱い自覚がある正直者
  • 深夜に何も考えず笑えるマンガを探している人
  • 断れない性格で損ばかりしている同志
  • タイトルだけで「何これ?」ってなった好奇心旺盛な人
  • ストゼロ片手に脱力系ギャグを摂取したい夜がある人

ユウの本音まとめ

正直に言う。このマンガ、タイトルを見たとき「また変なやつ来たな」と思った。「爆乳」「戻りましゅぅぅ」って、もうタイトルの情報量が渋滞してる。でも、だからこそ気になって開いてしまったし、あらすじ読んだだけで「あ、これ好きなやつだ」ってなった。追放系の皮を被った脱力コメディ、みたいな雰囲気がたまらない。

シンの意志の弱さは、笑える。でも同時に、「強くなきゃいけない」っていう圧に疲れた人間にとっては、ちょっとした安心材料にもなる。負けてもいいんだ、って。いや、よくはないんだけど、少なくともマンガの中くらいは許してほしい。

続きが出たら、また飲み会を断った夜に読みたい。あるいは飲み会に行って後悔した夜に読みたい。どっちにしろ、疲れた夜にちょうどいい一作だと思う。現実は相変わらずタナカ課長のLINEが溜まっているけど、このマンガがあるから、まあ……既読つけるのは明日でいいか。

今日のOL格言

「もう遅い」が言えないなら、せめて既読は遅らせろ。それが処世術。

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