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【転生したい夜に】『精霊達の楽園と理想の異世界生活』が疲れた心に沁みすぎて困る件

飲み会を断って帰ってきた夜だった。「ユウちゃんも来なよ〜」ってミカ先輩に誘われたけど、正直もう人間と喋る気力が残ってなかった。今日一日で処理した書類の枚数、たぶん三桁いってる。帰りのコンビニで買ったカフェオレだけが私の味方。風呂上がりにベッドに倒れ込んで、髪も乾かさないままスマホを開いた。もう今日は何も考えたくない。ただぼーっとマンガでも読んで意識を失いたい。

DMMブックスのおすすめ欄をスクロールしてたら、目に止まったのがこれ。『精霊達の楽園と理想の異世界生活』。タイトルの「楽園」と「理想の生活」というワードに、疲弊しきった私のアンテナがビンビンに反応した。表紙を見たら、なんか可愛い精霊っぽい子たちがいて、全体的に穏やかな雰囲気。……これだ。今の私に必要なのはバトルでも復讐でもない。楽園だ。理想の生活だ。そういうのを見せてくれ。

試し読みを開いたら最後、気づいたら髪が半乾きのまま布団にくるまって読み進めてた。あったかいんだ、この作品。異世界ものなのに、なんかこう……ほっとする。今日の飲み会断って正解だったかもしれない。だって私は今、楽園にいるから(スマホの中だけど)。

今日のユウのため息 ── 通勤・満員電車のストレス ──

限界OLユウ - 通勤・満員電車のストレス

今朝、ホームに降りた瞬間もう嫌な予感はしてた。前の電車が遅延してるとかで、いつもの1.5倍くらい人が溜まってて、案の定ぎゅうぎゅう。乗り込んだ瞬間、背中にリュックがめり込んできて、肋骨のあたりがずっとじわじわ圧迫されて息が浅くなるやつ。あれ本当に苦しい。しかも隣の人の傘の先端が足首に当たり続けてて、降りたとき見たら赤くなってた。誰も悪意があるわけじゃないのはわかってる。わかってるけど、毎朝これを耐えて会社に着く頃にはもうHP残り3割くらいなの、冷静に考えておかしくない?始業前にすでに疲弊してるって、何のために生きてるんだろうって一瞬よぎる。一瞬だけね。

しかもさ、たまに「リモートワーク推進」みたいなニュース見ると本当にしんどくなる。うちの会社、事務職だから基本フル出社。書類のハンコとか郵便物の仕分けとか、確かに出社しないとできない業務はあるけど、それ週5で必要かと聞かれたら絶対違う。でもまあ、言ったところで変わらないし、言う気力もない。今日も往復で2時間弱、ぎゅうぎゅうの箱に詰め込まれて運ばれてきただけ。私は荷物か。

帰りの電車でやっと座れたと思ったら、3駅で降りなきゃいけなくて、座った意味あったのかなって虚しくなった。…まあいいや、今日はもう何も考えたくない。布団入ってマンガ読も。

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。

作品情報 ── 精霊達の楽園と理想の異世界生活

精霊達の楽園と理想の異世界生活
作品名精霊達の楽園と理想の異世界生活
作者たむたむ, 早見みすず, 門井亜矢
シリーズ精霊達の楽園と理想の異世界生活
ジャンルファンタジー, 異世界系, DMMブックス限定特典付き

要するにこういう話。主人公の森園裕太くん、25歳。スーパーを出たら異世界だった。……いや、スーパーを出たら異世界って何? 私なんか毎日スーパーの帰り道にそうなってほしいと祈ってるのに、この人はあっさり叶ってるじゃん。ずるい。

で、そこで出会ったのが美女精霊のシルフィと幼女精霊のベル。この二人の協力のもと、「開拓スキル」を使って【死の大地】と呼ばれる土地を住みやすい場所に変えていくっていう話らしい。つまり、精霊たちと一緒にゼロから理想の住環境をつくる異世界スローライフ開拓記。バトルでゴリゴリ敵を倒すというより、「何もない荒野に自分の居場所をつくる」タイプの物語。

一言でまとめると、「普通の青年が異世界で精霊と一緒に荒れ地を楽園に変えていく話」。……控えめに言って、最高では? 私も【死の大地】みたいなこの人生を、誰か開拓スキルで快適にしてくれませんかね。

見どころ①:「死の大地」を自分の手で変えていく、この圧倒的な希望

この作品のキモは、やっぱり「開拓」だと思う。異世界転生ものって、最強スキルで敵をなぎ倒すとか、追放された先で見返すとか、わりと派手な展開が多い印象なんだけど、この作品はちょっと違う。あらすじを読む限り、舞台が【死の大地】なのよ。何もない、誰も住めないような場所。そこをコツコツと、自分のスキルで住める場所に変えていく。この「無から有を生み出す」感じが、なんかすごく刺さる。

私の仕事って、基本的に「既にあるものを処理する」作業なのよね。誰かが作った書類をチェックして、誰かが決めたフォーマットに入力して、誰かが設定した締め切りに追われる。自分で何かをゼロから生み出す実感なんて、正直ない。だからこそ、主人公が荒れ地に手を入れて、少しずつ形にしていくっていう設定に胸が熱くなる。開拓スキルって、つまり「自分の力で環境を変えられる力」でしょ。それって現実の私が一番欲しいものじゃん。

しかも、一人じゃなくて精霊たちと一緒にやっていくってのがいい。この手のジャンルって、仲間が増えていくにつれて出来ることが広がっていくのが王道の楽しさだと思うんだけど、「様々な精霊達と共に」ってあらすじにあるから、たぶんいろんなタイプの精霊が加わっていくんだと思う。火の精霊とか水の精霊とか、それぞれの力で土地がどんどん豊かになっていく……みたいな展開を想像するだけでワクワクする。

開拓って、結果がちゃんと目に見える形で積み上がっていくからいいんだよなあ。現実の仕事は、どれだけ頑張っても「お疲れ様でした」の一言で消費されて終わりだけど、この作品の中では頑張った分だけ土地が変わっていく。そういう「報われる世界」を見せてくれるのが、この設定の一番の魅力だと思う。

見どころ②:シルフィとベル、このコンビが最強すぎる

まず精霊が二人出てくるのがずるい。美女精霊のシルフィと幼女精霊のベル。タイプが全然違うじゃん。あらすじを読んだだけで「ああ、この二人のかけ合いが楽しいやつだな」ってわかる。大人のお姉さん系と、ちっちゃくて可愛い系。両方揃えてくるの、わかってるなあ……。

主人公の裕太くんについては、25歳っていう年齢設定がいい。転生ものの主人公って、わりと高校生だったり中年サラリーマンだったりするけど、25歳って社会人になってちょっと経った頃。仕事にも慣れてきたけど、これが自分の人生かって若干虚無を感じ始める年齢。私も25歳の頃、似たようなこと考えてた気がする。そんな彼がスーパー帰りに異世界に放り込まれて、精霊たちと出会って新しい生活を始める。この「普通の人が非日常に巻き込まれる」感じ、自己投影しやすいんだよね。

シルフィは名前からして風の精霊だろうし、ベルはたぶんめちゃくちゃ健気なタイプだと予想してる。こういう異世界開拓系って、精霊やヒロインが主人公を慕ってくれる展開があるのが定番なんだけど、それがもう……たまらなく沁みるんですよ、疲れた社会人には。だって現実では、タナカ課長に「この資料、やり直し」って言われるだけの日々なのに、異世界では精霊たちが「裕太すごい!」って言ってくれるわけでしょ(たぶん)。そういうのでいいんだよ、そういうので。

私はベルみたいな小さい子を見守るポジションが好きなタイプなので、ベルが頑張ってるシーンがあったら泣くと思う。精霊って人間じゃないからこその純粋さがあるじゃないですか。そういうキャラに「一緒にがんばろう」って言われたい人生だった。

見どころ③:スマホ一つで行ける楽園、ここにあります

この作品の本質的な魅力って、「癒し」だと思う。異世界ものなのにバチバチのバトルじゃなくて、精霊たちと一緒に荒れ地を住みやすくしていくっていう、スローライフ寄りの設定。タイトルに「楽園」「理想の生活」って入ってる時点で、もう癒される気しかしない。読んでるだけで、自分もその快適な空間にいるような気持ちになれるというか。

この手のスローライフ系開拓ものって、「今日は畑を作ろう」「次は家を建てよう」みたいに、日常の延長線上にある「やることリスト」をこなしていく感じが心地いいんだよね。仕事のタスクは全然心地よくないのに、不思議だよね。たぶん「自分のためにやってる」っていう前提が違うんだと思う。裕太くんが開拓してるのは、誰かに命令されたからじゃなくて、自分の理想の生活のため。そこが決定的に違う。

精霊たちとのほのぼのとした日常が想像できるのも、癒しポイントが高い。人間関係のドロドロとか、組織の政治とか、そういうのがなさそうなのが最高。精霊だもん。裏表とかないでしょ、きっと。……いや現実には、ミカ先輩が笑顔で「全然大丈夫だよ〜」って言いながら内心キレてるときの空気を読むのに全神経を使ってるんだけどさ。そういう疲れがない世界って、それだけで楽園なのよ。

……まあ、どれだけ楽園に浸っても、朝になればアラームが鳴って、私はまたあの蛍光灯の下に戻るんですけどね。でも、「帰ってきたらまたあの楽園が待ってる」って思えるだけで、なんとか一日やり過ごせるから。

見どころ④:開拓スキル、現実のデスクにも実装してくれ

裕太くんの「開拓スキル」、これがもう羨ましすぎて泣ける。だって、スキルひとつで環境を変えられるんだよ? 私なんか、デスクの上のファイルの山を開拓するだけで一日が終わるのに。しかも開拓しても開拓しても、翌朝にはまた新しい書類が積まれてる。これ無限ループのダンジョンじゃん。

この作品を読んでると、「自分の力で理想の場所をつくれる」っていう感覚を疑似体験できるんだよね。会社では何を提案しても「前例がないから」で却下されるし、タナカ課長は現状維持が大好きだし。でもこの作品の中では、主人公が「ここをこうしたい」って思ったら、スキルと仲間の力で実現できる。それがどれだけ眩しいか、働いてる人ならわかると思う。

同じように毎日の仕事に消耗してる人、精霊はいないけどマンガはある。深夜にこの作品を開いて、ほんの少しだけ楽園の空気を吸って、また明日も頑張ろう。……頑張るっていうか、なんとか生き延びよう。

このマンガはこんな人に刺さるはず

  • スーパーの帰り道に「このまま異世界に行けたらな」と思ったことがある人
  • 仕事の成果が報われない虚しさを感じている社畜
  • バトルよりほのぼの系の異世界ものが好きな人
  • 精霊とか妖精とか、人外キャラに弱い人
  • 自分の理想の住環境を妄想するのが好きな人
  • 深夜の布団の中で「楽園」という言葉に惹かれてしまった人
  • コツコツ何かを積み上げていく系の物語が好きな人

ユウの本音まとめ

正直に言うと、この作品はいわゆる派手な展開で引っ張るタイプじゃないと思う。でも、あらすじを読んだだけで「ああ、このぬくもりの中にいたい」って思えたのは本当。精霊たちと一緒に、荒れ果てた土地を少しずつ楽園に変えていく。その過程をゆっくり見守れるのが、この作品の一番の贅沢だと思う。裕太くんとシルフィとベルのこの空気感が、疲れた夜の私にちょうどよかった。

異世界ものって星の数ほどあるけど、「理想の生活」をテーマに据えてる作品って意外と貴重な気がする。最強になりたいとか、復讐したいとかじゃなくて、「いい感じの場所で、いい感じの仲間と、いい感じに暮らしたい」。そのシンプルな願いを叶えてくれる物語。それって、実は一番贅沢な現実逃避なのかもしれない。

続きが出たら、また飲み会断って読む。ミカ先輩ごめん、私には楽園があるから。現実は相変わらず【死の大地】だけど、スマホの中に楽園があるなら、まあもうちょっとだけやっていける気がする。

今日のOL格言

スーパーの帰り道が異世界に続いてないか、私は毎日確認している。

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