飲み会を断って帰ってきた夜だった。部署の歓迎会だったんだけど、正直、今日のあの会議の空気を引きずったまま笑顔で乾杯なんて無理だった。私が作った資料、タナカ課長が「ちょっと方向性違うかな」って一言で却下したの、あれ事前に確認してOK出したの課長本人なんですけど。いやもういいけど。もういいけどさ。風呂上がりにタオルで髪を拭きながら、なんとなくスマホを開いた。電子書籍アプリのおすすめ欄に、とんでもない長さのタイトルが目に飛び込んできた。『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト「無限ガチャ」でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&「ざまぁ!」します!』……ちょっと待って、これタイトル? あらすじじゃなくて?
普段は恋愛系とかもふもふ系ばっかり読んでる私なんだけど、今日に限ってはこのタイトルがやけに刺さった。「信じていた仲間に裏切られる」って、今日の私じゃん。OKって言ったよね? 方向性合ってるって言ったよね? ……いやまぁスケールは全然違うんだけど、裏切りの本質は一緒だと思う。知らんけど。気づいたらもう髪なんて半乾きのままベッドに潜り込んで、スマホ片手に読み始めてた。止まらない。これ、裏切られた怒りを全部ぶつけてくれるやつだ。
今日のユウのため息 ── 連休明けの絶望 ──

…まあ、愚痴はこのへんにして。今日の本題いくわ。
作品情報 ── 信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します!

| 作品名 | 信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します! |
|---|---|
| 作者 | 大前貴史, 明鏡シスイ, tef |
| シリーズ | 信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト『無限ガチャ』でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&『ざまぁ!』します! |
| ジャンル | 異世界系, バトル・アクション, ファンタジー |
要するにこういう話。9つの種族が平等に暮らす世界で、冒険者パーティー『種族の集い』の荷物持ちをしていた少年・ライトが、信じていた仲間たちに裏切られて最凶ダンジョン「奈落」の奥地に突き落とされるところから始まる。えっ、荷物持ちって一番頑張ってるポジションじゃないの? それを殺しにかかるとか、人間性終わってない?
しかもライトに残されたスキルが『無限ガチャ』。仲間たちからは「ゴミスキル」扱いされていたらしいんだけど、これが実はとんでもない力を秘めていたっていう。レベル9999の仲間を引き当てて、かつての裏切り者たちに復讐していくっていうのがメインの流れっぽい。一言でまとめるなら「仲間に捨てられたゴミ扱いの少年が、最強のガチャスキルで世界をひっくり返す逆転劇」。タイトルがもうあらすじなので、潔いぐらいにネタバレしてくれてるのが逆にありがたい。
見どころ①:「ゴミスキル」が実は最強、この逆転構造だけでごはん三杯いける
この手のジャンルの醍醐味って、やっぱり「みんなに馬鹿にされていたものが実は最強だった」っていう構造だと思う。ライトの『無限ガチャ』、仲間からゴミ扱いされてたわけでしょ。でもそれが蓋を開けてみたらレベル9999の仲間を生み出せるとか、もう痛快すぎる。あの、会社で「この業務、別にあなたじゃなくてもできるよね」って言われたことある人、全員これ読んでほしい。いや私のことなんだけど。
「ガチャ」っていう仕組みがスキルになってるのも、現代の私たちにはすごく馴染みやすい設定だと思う。ガチャって要するに運じゃん。でもそれが「無限」ってことは、引き続ければいつか当たりが出る。才能とか血筋とかじゃなくて、ただひたすら引き続けた結果として最強になれるっていうの、なんかこう……努力の形としてちょっと新しいなって思った。いや、私がソシャゲのガチャで爆死しまくってるのとは話が違うんだけど。
あと、舞台が最凶ダンジョン「奈落」の底っていうのがいい。普通だったら絶望しかない場所で、たった一つの手札で這い上がっていくわけでしょ。あらすじを読む限り、ライトは完全にゼロどころかマイナスからのスタートで、だからこそ逆転した時の気持ちよさが半端ないんだろうなって。底に落とされてからが本番、って構造、正直ちょっと元気出る。私の「奈落」は月曜朝の通勤電車だけど。
9つの種族の平等を掲げたパーティーが結局裏切るっていう設定も、皮肉が効いてて好き。「平等」とか「仲間」とか耳障りのいいこと言っておいて、都合が悪くなったら切り捨てるって、あれ? うちの会社の経営方針と同じじゃない? この世界観、思ったよりリアルだわ。
見どころ②:ライトくん、その怒り私に分けてくれ
主人公のライト、あらすじだけ見てもめちゃくちゃ共感できる。荷物持ちとして地道にパーティーを支えてきたのに、仲間に裏切られてダンジョンの奥地で殺されかける。これ、要するに「一番下の立場で頑張ってたのに、報われるどころか切り捨てられた人」なんだよね。事務職の私、ちょっとわかるよその気持ち。誰も見てないところで書類整理して、データ入力して、会議室の予約して、それで「あなたじゃなくてもできるよね」って。いや、ライトくんの方が全然ひどい目に遭ってるんだけど、根っこにある理不尽さは同じだと思う。
で、そのライトが復讐を決意するわけでしょ。これがいい。変にお人好しで「裏切った仲間も許してあげよう」とかならなくて、タイトルにばっちり「復讐&ざまぁ」って書いてある潔さ。この手のジャンルで一番萎えるのが「結局いい人すぎて許しちゃう」パターンなんだけど、タイトルの時点でそれはなさそう。ありがとう、ライトくん。私の代わりにタナカ課長を……いや、元パーティーメンバーをぶちのめしてくれ。
裏切り者の元仲間たちも気になる。「種族の集い」って名前のパーティーで、9つの種族が集まってたっていうことは、それぞれ個性的なキャラがいるんだろうなって想像できる。で、そいつらが一人ずつ「ざまぁ」されていくんでしょ? たぶん。もうその展開を想像するだけで、私の脳内にドーパミンが出てる。あと、無限ガチャから出てくるレベル9999の仲間たちがどんなキャラなのかも気になる。ライトくんが本当の意味で信頼できる仲間を手に入れていく過程、読んでて絶対気持ちいいやつだと思う。
見どころ③:「ざまぁ」は社会人の精神安定剤である
正直に言います。「ざまぁ」展開が好き。理不尽な目に遭わされた主人公が、圧倒的な力を手に入れて、かつて自分を見下していた連中を叩き潰す。この構造に、私は心の底から癒されている。これはもう、癒しとかほのぼのとは別ベクトルの、魂のカタルシスだと思う。
この作品の場合、ただ強くなって無双するだけじゃなくて、「信じていた仲間に裏切られた」っていう前提があるのが効いてる。赤の他人にひどいことされるのと、信じてた人に裏切られるのとでは、怒りの深さが全然違う。だからこそ復讐のカタルシスも深くなるはず。あの、「期待してたのにな」っていう感情の裏返しの怒り、わかるでしょ。上司が「お前のこと評価してるよ」って言った翌週に別の人を昇進させた時のあの感じ。いやまぁ、殺されかけるのとはレベルが違うけど。
でも結局、スマホの画面を閉じたら私はただの事務職の会社員で、レベル9999の仲間もいないし、無限ガチャも回せない。明日もタナカ課長のハンコをもらいに行かなきゃいけないし、ミカ先輩の機嫌を伺いながらExcelを叩く日々は続く。でもさ、だからこそこういうマンガが必要なんだよ。画面の中でライトくんが裏切り者をぶちのめしてくれるだけで、私の心の中の何かが少し軽くなる。「ざまぁ」は、現実では絶対にできない復讐を代わりにやってくれる、合法的な精神安定剤。
見どころ④:無限ガチャが欲しいんじゃない、やり直すチャンスが欲しいんだ
この作品を読んでて一番刺さったのは、「一度ゴミ扱いされたものが、実は最強だった」っていう部分。会社で働いてると、自分の仕事とかスキルが正当に評価されてるのかわからなくなる瞬間がある。私の事務処理能力、地味だけど結構ちゃんとやってるつもりなんだけどな。でもそれって、ライトくんの「無限ガチャ」と同じで、見る目がない人からしたら「ゴミスキル」に見えるのかもしれない。
タナカ課長にこのマンガ読ませたいとかは思わない。だって読んでも絶対「ふーん、マンガね」で終わるもん、あの人。でも、同じ部署のユナちゃんにはこっそりおすすめしたい。あの子も最近、先輩に企画書を全直しされてへこんでたから。「見てて。いつかあなたのスキルが最強だってわかる日が来るから」って、ライトくんの物語を通して伝えたい。……いや、さすがにそれはキモいか。黙ってLINEでリンク送ろ。
結局のところ、私たちが欲しいのはチートスキルそのものじゃなくて、「もう一回やり直せるチャンス」なんだと思う。底に落とされても、そこから這い上がれるっていう希望。このマンガはそれを全力で見せてくれる。
ユウの本音まとめ
読んでよかった。いや、正確に言うと「今日読めてよかった」。あの飲み会に行ってたら、たぶん愛想笑いしながらビール注いで、帰りの電車で虚無になって寝てた。でも代わりにこのマンガに出会えた。裏切られた怒り、ゴミ扱いされた悔しさ、そこから這い上がる快感。全部、画面の中のライトくんが代わりに体験してくれる。それだけで、なんか今日一日の理不尽がちょっと薄まった気がする。
タイトルがめちゃくちゃ長いので最初はちょっと身構えたけど、逆にこの長さが誠実だなと思った。何が起きて、どうなって、どうするかが全部タイトルに書いてある。変に隠さない。「復讐します」「ざまぁします」って宣言してくれてるの、めちゃくちゃ安心感ある。この手のジャンル、裏切り展開が辛すぎて読めない時もあるけど、ゴールが見えてるからこそ安心して辛いシーンも読み進められるんだよね。
明日もきっとタナカ課長は理不尽なことを言うし、ミカ先輩は急な仕事を振ってくるし、私は黙って対応する。でも、帰ったらまたこの続きが読める。それだけで、まぁ、明日も行くか、会社。

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