夫と親友という最も身近な人間に裏切られたサレ妻たちが、どん底から反撃を開始する凄絶な復讐劇。人間関係に疲れ、他人の家庭が崩壊していく様を特等席で眺めて現実逃避したい人におすすめ。
シンクに溜まった残骸と消えない孤独

シンクの中には、いつ食べたかも思い出せない食器と、コーヒーの渋がこびりついたマグカップが地層みたいに重なってる。これを洗ったところで、明日になればまた同じように汚れるだけ。誰のために、何のために私はこの狭いキッチンで立ち尽くしてるのか、ふと考えた瞬間に底なしの虚無に飲み込まれそうになる。
SNSを開けば「今日の夕飯は彼のリクエストでハンバーグ♡」なんてキラキラした投稿が目に飛び込んできて、鏡に映るボサボサ頭の自分との落差に吐き気がする。一人分の洗濯物を干す作業なんて、自分の孤独を再確認するための無意味な儀式でしかない。そんな乾ききった心を潤してくれるのは、冷えた缶チューハイと、自分より悲惨な境遇に叩き落とされた女たちの修羅場だけ。
今日のデトックス用マンガ
| 作品名 | サレタ側の私たち〜夫と親友を地獄へ落とすまで〜 |
|---|---|
| 作者 | 鈴木野ミドリ |
| 出版社 | CLLENN |
信じていた幸せの裏側にある吐き気
温かい家庭を夢見て、結婚3年目を迎えた奈緒。子供が欲しくても夫の健二はどこか冷たくて、触れ合うことすら拒まれる日々。そんな彼女の唯一の救いは、幸せそうな家庭を築いている親友のみなみの存在だった。親友の家に招かれ、優しい夫とかわいい子供に囲まれて笑う彼女を見て、奈緒は自分の現状と比較して羨望を抱く。
でも、その「憧れの日常」は全部泥沼の上に成り立っていた。偶然会ったみなみの夫から告げられたのは、想像を絶する裏切りの真実。信じていた夫と、心から頼りにしていた親友が、自分の背後で手を取り合って笑っていた。奈緒の心は粉々に砕け散るけれど、そこから「サレタ側」たちの静かな逆襲が幕を開ける。
地獄に落ちるのはどっちか見届けてやる
親友の幸せを心から喜んでいた奈緒が不憫すぎて、読んでるこっちの胸がキリキリ痛む。信じていた人間に背中から刺される以上の絶望なんて、この世にあるのかな。特に「みなみ」の外面の良さと、裏で奈緒を嘲笑うギャップがリアルすぎて、女の執念って本当に底知れないと実感する。
裏切られた側がただ泣き寝入りするんじゃなくて、協力者を得て着実に相手を地獄へ引きずり込もうとする展開は、ストレスの溜まったOLには最高のつまみ。自分の部屋の汚れたシンクなんてどうでもよくなるくらい、他人の人生が汚れきっていく様子を眺めるのは、歪んでいるかもしれないけれど最高の娯楽だと思う。

このマンガはこんな人に刺さるはず
- 信じていた夫と親友に同時に裏切られる絶望を疑似体験したい
- サレタ側が団結して反撃を開始するカタルシスを味わいたい
- 幸せの仮面が剥がれ落ち、化けの皮が剥がれる瞬間を見届けたい
明日の活力は他人の不幸から摂取する
現実は理不尽で、真面目に生きてる人間が損をすることばかり。でも、マンガの中くらいは徹底的にやり返して、クズ共がどん底に落ちる姿を見せてほしい。この作品を読んでいると、自分の孤独や生活の荒れっぷりなんて、まだマシな方だと思えてくるから不思議。
他人の人生の崩壊を安全な場所から覗き見するのは、このクソみたいな社会を生き抜くための正当防衛。理不尽な毎日に疲れて心が死にそうなら、このドロドロの復讐劇に身を委ねてみるといい。きっと読み終わる頃には、少しだけ喉の奥のつっかえが取れたような、乾いた満足感が得られるはず。

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