大切なものを全て奪われた少女が、10年かけて準備した「最高の絶望」を突きつける復讐の物語。現実の理不尽に耐え、誰かを心の底から呪いたくなった経験がある人に読んでほしい。
コンビニ飯とストゼロで流し込む虚しさ

深夜に帰宅して、レンジで温めるだけのコンビニ弁当を突く。これといった会話もなく、テレビの音だけが空虚に響く部屋で、強い酒を喉に流し込むのが私の日常。ふとスマホの画面に映る、加工でキラキラした他人の幸せそうな夕食を見て、胸の奥がチリっと焼けるような感覚になる。
狭いワンルームでプラスチック容器を片付ける時、ふと誰の視界にも入っていない自分に気づく。LINEの通知は公式アカウントからだけで、最後に誰かと心を通わせたのがいつかさえ思い出せない。そんな底なしの孤独感を紛らわすには、自分より悲惨な目に遭っている誰かの人生を覗き見するのが一番の薬なんだよね。
自分の手は汚したくないけれど、悪いやつが徹底的に追い詰められる姿は見たい。そんな歪んだ欲望を満たしてくれる、ドロドロの復讐劇に今夜も逃げ込むことにする。
今日のデトックス用マンガ
| 作品名 | 復讐を召し上がれ |
|---|---|
| 作者 | アルコイリス・立花もぐら |
| 出版社 | CLLENN |
甘いケーキの裏に隠されたどす黒い悪意
主人公の野々村しずくは、パティシエを目指す普通の女子高生。でも、転校してきた「トシナリタカトオグループ」の令嬢、高遠愛莉と出会ったことで、彼女の人生は地獄へと叩き落とされる。愛莉は、しずくが持っているものを、たとえそれがささやかな幸せであっても、おもちゃを欲しがる子供のように残酷に奪い去っていく。
家族も、夢も、積み上げてきた全てを奪われ、絶望のどん底に突き落とされたしずく。それから10年後、彼女は名前も顔も捨て、全くの別人として愛莉の前に再び姿を現す。10年という長い年月をかけて煮詰められた「極上の復讐」が、今、幕を開けるわけ。
私の代わりに完膚なきまでに叩きのめして
「欲しいものはなんでも手に入れてきた」なんて宣うお嬢様、現実にもたまにいるけれど、本当に反吐が出る。しずくが真面目に努力して焼いたケーキさえ、権力と金で踏みにじる愛莉の姿は、まさに社会の理不尽そのもの。そんな女に復讐するために、10年も潜伏して牙を研ぎ続けるしずくの執念には、正直震えるし、少しだけ憧れてしまう。
ただやり返すだけじゃない、相手が一番大切にしているものを、かつての自分と同じように目の前で壊していく。その徹底した「目には目を」のスタイルが、日頃から理不尽を飲み込んで生きている私の心を少しだけ軽くしてくれる。自分の人生で仕返しができない分、マンガの中で完膚なきまでに叩きのめされる悪女を見て、冷え切った酒を流し込むのが最高に贅沢な時間なんだよね。

このマンガはこんな人に刺さるはず
- 自分を苦しめた人間に地獄を見せたいと願ったことがある人
- 圧倒的な力を持つ強者が、用意周到に追い詰められる様を見たい人
- 10年越しの執念が結実する、濃厚な人間ドラマに浸りたい人
飲み込むのはアルコールか復讐の味か
この物語のしずくは、私たちが現実で飲み込んできた不満や怒りを、代わりに爆発させてくれているような気がする。どんなに名前や顔を変えても、消えない心の傷を「復讐」という劇薬で癒やそうとする姿は、悲しいけれど美しい。他人の人生が崩壊していく様子を安全な場所から眺めるのは、現代人にとって最高のストレス解消法に違いない。
明日もまた、理不尽な上司や身勝手な世の中に振り回される一日が始まる。けれど、今夜この復讐劇を読み終えた後は、少しだけスカッとした気分で眠りにつけそう。自分を傷つけた相手に「どうぞ召し上がれ」と言える日なんて来ないけれど、マンガの中でなら、最高に毒のあるケーキを味わうことができるんだから。

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